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吹き口の秘密 [管楽器]

机上の吹き口

吹き口.jpg

エアリードの発音原理に カルマン渦 と そうではないとの説があります。

小生は計測分野をやっていましたのですが、その時、カルマン渦流量計について調べたことがあります。

断面が 円形 正三角形 直角三角形 などの 柱状物に 気流を当てますと、速度に関連した、周波数で渦が出来、

音となります、ビル街などで 高くなったり低くなったりする風音はおそらく此でしょう。

柱状体に当たった気流に偏りが出来て、例えば初めは右に流れ、右側の圧力が高くなり今度は反転して、

左に気流が移る、動作を繰り返すようです、この時柱状体の後ろが開いていて気流が繋がっていることが条件です。

しかし笛の場合は管内と管外は繋がって居らず、 一度どちらかに流れた気流はその方の圧力に変化を与え、

逆側との差で、気流の流れが反転します。(開管の場合は最初に内部に流れると、簡単から出て行ってしまい、圧力の反転は、起こりにくいようで、最初に外側に流れる方が、振動(発音)を始めやすい様です)

 

原理が理解できたのは2種類の スライドホイッスルの 吹き口を観察しますと 

上の方は、ウインドウエイの中心がエッジの少し上に向いており、

RIVER FORD DS-80 B  

WS000938.JPG

下の方は 、ウインドウエイの中心がエッジの少し下に向いており、エッジの少し後ろに小さなコブがあります。

KIKUTANI SW-01 (BLUE)

WS000939.JPG

スライドホイッスルは 閉管で 内部に管長を変化させる ピストンが付いており、

一番伸ばすと Ab4 位の音程から 短くすると D7 位まで変化します 。

上の方は、開管につなぎ換えても管内から空気を吸い出し、圧力が下がるので、気流は管内の方に切り替わり

管内の圧力を上げます、此を繰り返して、振動(発音)が生じ持続します。

しかし、下の方は開管に接続しますと 空気が管内に吹き込んでも、内部圧力が上がらず、振動(発音)をしません。 

(簡単が開いているので抜けていくらしく、指で蓋をすると鳴り始めます)

材料は次を組み合わせて使いました。

オーム 00-9363 硬質ビニル電線管 ベージュ2m VE-14J2

オーム 00-9089 硬質ビニル電線管 ベージュ2m VE-16J2 
オーム 00-9090 硬質ビニル電線管 ベージュ2m VE-22J2 
オーム AA0-413 00-4201 VEカップリング 14用 2個入り PVF-14J
オーム 00-4202 VEカップリング 16用 2個入り PVF-16J
オーム 00-4203 VEカップリング 22用 2個入り PVF-22J 

電気用の塩ビ管で スザート 似の 吹き口が鳴る様になりました。

この管の外径は18φで VE-16J2 にピッタリ合い、VE-16J2 の外径は 22φで VE-22J2 にひったりです。

それらは相当するジョイントに合いますが、ジョイント入り口は0.3mm大きく 奥の突き当たりは0.3mm小さくなっています。

水道慣用接着剤で永久固定するか、ホットボンドで取り外せるように固定できます。

 

画像のように 構造は14φの管の入り口を15φに穴繰りし、15φの木栓を詰め、リードエッジ(14φ)までを

挟みで切り取り、30~40度位のエッジにしました。(残り厚み(18-15)/2=1.5mm)

5φの穴を2個連続に開けて(竹ドリルは連続穴でも隣に干渉しません)途中を直線にした、小判穴です。

PVF-16J をかぶせて 隙間をウインドウエイにします、(1.5mmの隙間です)

スザートの場合はかぶせにも切り書きがあり、エッジはパイプの円弧に合わせてあります。

DSCF0534.jpg

加工に使った道具類や状態です。(百均の平ヤスリが抜けています)

少し管の面に合わせて、平面ではなく円弧状面になっています。

そうしないと、エッジを上から見たら直線になりません。

メーカによっては円弧面にせず、平面にしたのや 少し後ろにコブ状のものを付けたり、跳ね上げ板を付けたり、

丸穴で斜面の角度付きもあります。

DSCF0533.jpg

これくらいですとかすれた音になります。

DSCF0523.jpg

吹き始めが倍音になり基音に下がります、もう少し強く吹くとまた倍音という具合です。

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普通に吹くと基音になり、強く吹くとくと、倍音、もっと強く吹くと3倍音、更に強いと2オクターブ上です。

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弱く吹くと基音になり、普通に引くと、倍音、もっと強く吹くと3倍音、更に強いと2オクターブ上です。

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殆ど上と同じ。

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差し込みすぎると、もう音には鳴りません。 

DSCF0531.jpg

結論的には、ホイッスルの場合は、パイプ外に流れを作り、吸い出し力で振動します。

フラウトの場合は丸穴の外面に沿って流れる気流が、吸い出し効果となって、振動します。

先端閉管は管内に気流を送り込んでも、内部の反発力で振動を始めます。

 

種類.JPG

14φと18φ を 入り口だけ 15φと20φに広げ 木栓を詰めて吹き口にしました。

(図では真ん中の位置です)

18φの穴の向きは直角のままでして、吹くと基音に成らず B5 989Hz、

(残り厚み(22-20)/2=1.0mm)

かぶせ管を5mmくらい下げ気流を上にくけますと、吹きき初め B5 ちょっとして B4 で鳴ります。

14φは 角度があるので B4b 50セント 476Hz に成ります。

DSCF0538.jpg

継ぎ管式にするといろいろ試しやすいです。

DSCF0537.jpg

 

 

 


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